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タンクの下のお墓と金魚の呪い

北海道の住居の外には、厳しい冬にもストーブの炎を絶えさせない為の、灯油を備蓄する大きなタンクが備えられている。昔住んでいた家にもそれがあった。
縁日などで買った金魚は、飼い慣れていない者にとって長生きさせることは難しい。複数匹飼っていた金魚の一匹に私は「テレタビーズちゃん」と名付けた(当時私が使っていた子供用の歯ブラシがテレタビーズのものだったから)。
その後テレタビーズちゃん逹は呆気なく死んでいってしまったのだが、どこから来たのか、名前はなんだったのか覚えていないが、小さな亀はやたらと長生きだった。玄関で飼われていたその子は手入れを放置するととても臭くなった。亀が鳴くという事もその子から学んだ。
金魚も亀も死んでしまうと我が家では土葬にしていて、灯油タンクの下のスペースに埋めていた。日当たりが悪いのでそこには植物は芽生えず、ヒンヤリとした土には妙な不気味さがあって本当に墓場の様だった。たまに踏んでしまうと姉が「呪われるよ」と脅してきて私は怖くてたまらなかった。
でも今思うと呪われても仕方ないと思う。というのは亀はその子限りだが、金魚に於いては覚えていないくらい沢山の数がそこに葬られていたし、自身が飼っていた筈なのに、まるで無縁仏の様な扱いだったから。
その後私は金魚をトイレに流す人種が居ることを知るのだが、その人逹はきっとトイレから金魚に呪われるのだなあと感じた。